ずっといっしょ

△△が○○に出会ったのは、少し前のこと。
いつも通る街角で、○○に出会いました。
ちょっと変わった服を着ている女の子です。

○○は少しの間だけこの町にいるんだそうです。
友達がいなくて、少し淋しそうに見えました。

△△は○○と一緒に遊んで元気づけてあげることにしました。

○○と△△は遊んでいるうちに、とっても仲良しになりました。

遊ぶ時はいつでも一緒。
毎日、いつまでも楽しく遊んでいました。

△△は○○にたくさんお話をしてあげました。
「私の夢は、外国のお城に行くことなんだ。」

お城の話をしている時、△△の目はキラキラしています。
○○は、お城のことがよくわかりません。
でも、とっても楽しいことなんだろうと、△△の話を聞いていました。

「いつか○○と、お城に行けるといいね。」
△△の優しい声に、○○はそんな時が来たらいいなと思いました。

月日が経って、○○がもうすぐ町を離れてしまうことになりました。

そんなある日、△△は小さな花飾りを○○にプレゼントしました。
「○○にずっとこの町にいてほしいな。」

その花飾りは、小さいけれど丁寧に作られていました。
○○はその花飾りが、とても愛おしく、他のどこにも無いような宝物のような気がしました。

○○は空に祈りました。
「どうかもう少しだけ、この町にいさせてください。」

草原に強い風が吹きぬけます。

○○は、風の問いかけに答えます。
「△△と一緒にいられるなら・・・」

○○の背に、透明な翼が広がります。
「△△と一緒にいられるなら、この羽が無くなってもかまいません。」

○○は天使だったのです。
いずれ空に戻らないといけないのです。

強く吹いていた風は、いつのまにか優しく○○を包み込んでいます。
優しい風に、○○はお礼を言いました。
目から落ちた涙が光になります。

○○は、△△の元に飛んでいきました。
「△△、ずっとこの町にいられることになったよ。」

△△は、うれしさと○○の背中に羽が生えているので、びっくりしています。
○○と△△は手を取り、一緒にいることができる喜びを確かめ合いました。

それから、二人はずっと一緒。

今ではときおり、二人でお城に行っています。