「もりのおくのおちゃかいへ」

MeonBlog読者の皆様

 

新年、あけましておめでとうございます。

去年は、日本が地震、津波、洪水、などの大災害に見舞われた波乱の年でした。

被災なさった方々には、本当に心からお見舞い申し上げつつ、

被災しなかった自分には、どういう使命があるのだろうと、深く考えさせられました。

このような中で2012年の辰年を迎えることとなりました。

 

このような複雑な思いのなか、

素敵な絵本を一つ読みました。

絵本の力というものは、何と大きいものか、と年初めに強く感じました。

この絵本の題名は、「もりのおくの おちゃかいへ」

作者は、宮越暁子氏。ニッサン童話と絵本のグランプリで優秀賞を受賞されています。

この絵本の特徴は、主人公の少女以外は、殆ど灰色(黒)で描かれているところです。

おとうさんが忘れていった、おばあちゃんに届けるべきケーキを届けに、森へでかける

お話で、道の途中で森の動物たちの御茶会に遭遇するわけですが、

お話はとてもシンプルです。

 

しかし、この中には、雪かきを手伝うためにおばあちゃんのおうちへ急ぐおとうさん、

おとうさんが忘れていったケーキを一生懸命届けようとがんばる少女、

届けるべきケーキを落としてつぶしてしまった少女を気づかう森の動物たち、

いろんな思いの繋がりや温かさを感じます。家族の絆、見知らぬ人への愛、でしょうか。

この心に感じる温かさが、見事に絵で表現されていると思います。

私が特に気に入った場面は、次のところ。

とっても素朴で、家庭の何気ない一場面なのですが、

おとうさんが忘れていってしまったケーキの前に立つ少女と、一人で届けると言う娘を

御台所から見るおかあさんが描かれています。

なんとなく、懐かしく、なぜか、他の華やかなお茶会の場面よりも、この場面が

印象に残りました。

 

この絵本は、内容がとてもわかりやすいですが、絵はどちらかというと、

大人向けかな、と思いました。

 

多忙すぎて、見知らぬ人への親切心を隠してしまったり、

家族との関係が一時的であれ、薄くなってしまって、孤独を感じている友人がいれば、

一人、仕事から疲れて帰宅した時に、気持ちを落ち着かせてくれる絵本として、

友人に送る絵本セレクションのひとつにいれたいと思います☆

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もうすぐ二十歳の方々にとっての、成人式。
そして、甘いバレンタイン、感動の卒業式、新緑の入学式。
大切な娘に息子に、夫に、妻に、親友に、彼氏に、彼女に。

普段言えないメッセージを、あなたのオリジナル絵本に込めて。    

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